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ペロリンの山形旬情報

紅花

2019年6月28日掲載

今日の旬な農産物

「紅花」

紅花

「半夏(はんげ)一輪咲き」といわれる紅花は、山形県内各地で半夏生(夏至から数えて11日目、7月上旬)に咲き始めるといわれています。紅花の開花時期に合わせて県内各地で「紅花まつり」が開催されるなど、山形県の花として県民に広く親しまれています。

平成31年2月、「歴史と伝統がつなぐ山形の『最上紅花』〜日本で唯一、世界でも稀有な紅花生産・染色用加工システム〜」が日本農業遺産(※)に認定されました。

※日本農業遺産とは?
日本農業遺産とは、重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を農林水産大臣が認定する制度です。伝統的な農林水産業が受け継がれていること、地域の貴重な知識が維持されていること、農林水産業に関わって育まれた文化があることなどが、評価のポイントです。平成31年3月時点で、15地域が認定されています。


歴史と伝統がつなぐ山形の最上紅花

北前船、花笠まつり

山形県内では、室町時代後期に紅花の栽培が始まったとされており、江戸時代には、県内各地で生産された染色原料「紅餅(べにもち)」が最上川舟運により酒田に集められ、北前船で京都に運ばれました。紅餅は装束の染色だけでなく、口紅の原料としても珍重されていました。

紅花によりもたらされた文化は、今も山形に大きな影響を与えています。山形の最大のお祭りである「花笠まつり」で用いられる花笠は、紅餅を乾燥する丸いむしろを笠に見立てたものです。雛人形など、紅花交易によりもたらされた収蔵品や建造された蔵は、現在も県内各地に数多く残っています。


受け継がれる紅餅加工

紅花加工品

紅餅などの紅花加工品の花摘み〜加工の工程は、7月いっぱい続きます。「紅餅」は現代においても、本物の赤色を求める職人からの需要に応える重要な農産加工物です。伝承されている紅餅つくりの技法は最上流と呼ばれ、黄色と赤色の色素を含む紅花の花びらから、発酵の工程により、しっかりとした赤色を確保することが特長です。8月下旬頃には県内各地からの出荷物が出そろい、1kgあたり4万円程度で取引されます。紅餅は昔と変わらず、高貴な衣装や口紅用の染料として使われます。

「乱花」は紅花の花びらを乾燥させたもので、さまざまな食品加工に用いられ、彩りとともに山形らしい風情を加えています。

紅花の咲き誇る姿をご覧になりたい方は、県内各地で開催される「紅花まつり」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

紅花加工品

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