「トラフグ」
12月から2月の寒い冬の時期に旬を迎える高級魚、トラフグ。山口県下関が有名ですが、山形県でも2001年ごろからトラフグ漁が行われるようになり、庄内浜の新しい特産品の一つとしてブランド化に取り組んでいます。
2018年11月26日掲載、2019年11月20日更新
12月から2月の寒い冬の時期に旬を迎える高級魚、トラフグ。山口県下関が有名ですが、山形県でも2001年ごろからトラフグ漁が行われるようになり、庄内浜の新しい特産品の一つとしてブランド化に取り組んでいます。
平成17年に漁業者が中心となり山形県トラフグ研究会が立ち上がりました。トラフグは冬の寒く厳しい海から、はえ縄漁で一匹ずつ漁獲されます。トラフグは貝やカニも噛み砕いてしまう頑丈な歯を持っているため、普通の漁具では噛み切られてしまい、釣りあげられません。
漁業者達は様々な試行錯誤を経て、ステンレス製のワイヤーを使った専用の漁具で漁獲量を伸ばしてきました。釣り上げたトラフグは魚体に傷をつけないよう丁寧に水揚げされます。さらに、高い品質を保って消費者にお届けするため、水揚げ後は歯切りをして塩ビ管に入れることでスレや噛み合いを防止し、蓄養してから活魚出荷されます。
庄内浜では、ただ漁獲するのではなく、漁業者が自らトラフグの産卵期に禁漁期間を設け、自分たちで資源を守っています。
また、トラフグの漁獲を安定したものにするため稚魚放流も行っています。5月に親魚から卵をとり、8月頃までに県栽培漁業センターで約4cmに育てたトラフグを、漁業者や地域の子供たちが放流します。放流効果を調べるために放流魚の目印として行う鰭切りも、研究会メンバー総出で行うなど、漁業者、漁協、水産試験場、行政機関が一体となって調査を進めています。
トラフグの食文化は山形ではなじみが薄いですが、県内にもトラフグ料理を手掛ける料理人が多数おり、飲食店では極上のトラフグ料理を味わうことができます。寒鱈とならぶ季節の贅沢として、漁業者達のプライドが詰まった新しい特産品を楽しんでみてはいかがでしょうか。
・山形のうまいもの(トラフグ)
http://nmai.org/crops/umaimono/marine/torafugu.html