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ホーム知る山形んまいもの探しの旅「ペロリンが行く」 > Vol.65:総称山形牛のおいしさの指標 MUFA を「見える化」

口溶けの良さを数値で表示『総称山形牛』

山形の肉牛の歴史は古くて、明治時代の初め頃から始まったんだって。今では「総称山形牛」の名で全国的に知られ、日本を代表する高品質な肉牛の産地になったペロ。ステーキにすきやき、しゃぶしゃぶ!「総称山形牛」は肉のきめが細かく、ほどよいサシ(霜降り)が入って、舌にのせたときの柔らかさとまろやかさが最高ぺロ〜。

このおいしさの目安の一つがMUFAで、目で見てわかる形で表示する「見える化」に取り組んでいると耳にした僕。MUFAって、一体ナニ? さっそく山形県農林水産部畜産振興課と山形県農業総合研究センター畜産研究所の方、そして生産者さんを訪ねてお勉強してきたペロ♪

2024.12.26・2025.1.22取材
取材地:新庄市・真室川町

県内各産地の優れた和牛肉牛を「総称山形牛」として品質規格を統一

僕はまず、山形県農林水産部畜産振興課畜産ブランド推進専門員の煖エ圭子さんから、「総称山形牛」の名前について教えてもらったペロ。なぜ「総称」なのか不思議だったけど、山形県で戦後、県内各地で優れた肉牛がつくられるようになり、昭和37年に当時の県知事の首唱により県内産肉牛を「総称山形牛」として品質規格の統一を図ることになったんだって。

「山形県内において、最も長く育成・肥育され、かつ最終飼養地が山形県内である未経産の雌牛および去勢の黒毛和種」「公益社団法人日本食肉格付協会が定める肉質4等級以上のもの」などの基準を満たしたものを「総称山形牛」と認定しているペロね。

MUFA(一価不飽和脂肪酸)を指標に、おいしさの「見える化」

四季がはっきりしていて、昼夜の寒暖差が大きい山形。この豊かな自然環境の中で育てられる「総称山形牛」は雌牛が多く、一般的な和牛よりも肥育期間が長いんだって。長期肥育でゆっくりと成長させるから肉のきめが細かく、ほどよいサシが入っているペロね。

山形県農業総合研究センター畜産研究所家畜改良部専門研究員の小松正尚さんによると、そのおいしさの秘密は脂質にあるんだって。脂肪の「口溶けの良さ」が「総称山形牛」の大きな特長で、山形県ではそれを目で見てわかる形で表示する、牛肉のおいしさの「見える化」に取り組んでいるペロよ。

おいしさの目安になる「口溶けの良さ」の指標が、MUFA(一価不飽和脂肪酸)。「口溶けの良さ」は脂肪の溶ける温度=融点に関係していて、おいしい肉ほど融点が低いペロ。「オレイン酸を含む、MUFAが多い脂肪は低い温度で溶けるため口溶けがいいので、牛枝肉に含まれるMUFAを分析してMUFA割合を数値で示して『見える化』した」と小松さん。つまり、MUFA割合が大きいと口溶けがよく、おいしいっていうわけ!

もっとたくさんの人にMUFA、そして「総称山形牛」を知ってもらって、ん〜まい「総称山形牛」をいっぱい食べてほしいペロ〜♪

生産者も「MUFAは山形牛のおいしさを全国に発信する鍵」と期待

僕は山形牛の生産者さんにもお話を聞きたくて、山形県の北部にある真室川町(まむろがわまち)へ。山形牛枝肉市場流通振興協議会会長の栗田幸太郎さんを訪ねたペロ。牛肉の品質を競う山形牛枝肉共進会などで、最優秀賞の「チャンピオン賞」を受賞する「総称山形牛」を何頭も育てているペロね。

栗田さんは、飼料のビタミンAをコントロールして牛肉にサシを入れる技術を開発するなど、肉牛の高品質枝肉生産技術を確立した肥育の名人=B「総称山形牛」のおいしさの「見える化」にも、「総称山形牛のおいしさを全国に発信するキーポイントになる」と大きな期待を寄せているペロ〜。

全国レベルの銘柄牛に並ぶ「総称山形牛」を育て枝肉市場へ

新庄市にある山形最上家畜市場で、年間100頭余りの子牛を買い付け、立派な「総称山形牛」に育てて出荷している栗田さん。子牛の買い付けの基準は「まず自分の五感。毛のツヤを見てこれはいい牛になる≠ニ直感した子牛を選び、それから血統や体重・体高を見て確認する」と話してくれたペロ。

一般的に買い付ける子牛は生後10カ月未満で、体重は300kgが目安だけれど、栗田さんはそれより小さくても、無駄な脂肪がついてない牛を選ぶそう。そして、飼料を工夫し、清潔な牛舎でじっくり大切に育て、全国トップレベルの銘柄牛に並ぶ「総称山形牛」に仕上げるペロね。

こうして成長した牛を枝肉市場に出荷するときは、月齢はもちろん発育状態も厳しく検査。牛を触っただけで、脂がのっているか、わかるんだって。「ちゃんと脂肪のついた、いい牛でないと出荷できない。手塩にかけて育てた牛をおいしく食べてもらうのが一番うれしい」と笑顔があふれたペロ。

さらに栗田さんは「MUFAの認知度を高め、おいしさの『見える化』をPRすることで、県内だけでなく全国に『総称山形牛』を強くアピールできるので、他産地との差別化につながる」とキッパリ。MUFA割合が表示されたら、「総称山形牛」を買うときは僕もしっかりチェックするペロ♪

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