ホーム > 知る > 山形んまいもの探しの旅「ペロリンが行く」 > Vol.60:「やまがた紅王」本格デビューイベント大玉コンテスト
山形は日本一のさくらんぼ産地。今年も収穫シーズンには、真っ赤でん〜まい≠ウくらんぼが全国に届けられたペロ。
その中でも注目を集めたのが、山形県が開発したさくらんぼの大玉新品種「やまがた紅王(べにおう)」。今年の本格デビューを記念して、6月には第1回「やまがた紅王」大玉コンテストも開かれたペロよ。
「大玉って、どれくらい大きいの?」僕は自分の目で確かめたくてコンテストへ。厳しい審査の結果、第1位になった「やまがた紅王」は、本当に500円玉より大きくてびっくり! そこで、初代王者に輝いた天童市の生産者さんを訪ねて、超大玉を育てたさくらんぼ畑を案内してもらったペロ♪
2023.6.23・8.10取材 取材地:寒河江市・天童市
山形県が開発した国内最大級のさくらんぼで、今年本格デビューした新品種「やまがた紅王」。その大きさを競う第1回「やまがた紅王」大玉コンテストが6月23日、寒河江市の最上川ふるさと総合公園で開かれたペロ。
開会式では、主催した「やまがた紅王ブランド化プロジェクト会議」事務局の山形県農林水産部園芸大国推進課・近野広行課長が、「早期のブランド確立、大玉栽培に向けた生産者の意欲と技術力の向上を図り、より多くの消費者の方に魅力を知ってほしいと初めて開催した」と挨拶したペロね。
大玉コンテストには県内各地から41点の出品があって、さっそく審査がスタート。出品規格は、着色割合が65%の「秀」以上、実の大きさが3L(直径28ミリ)以上の「やまがた紅王」12粒で、その合計の重さを競うペロ。まず予備審査で色や大きさ、熟度など外観を検査し、規格に合わない粒は除かれて本審査へ。果実の総重量を量って順位を決めるペロよ。
本審査では、エントリーナンバー順に次々と重さが量られて、総重量が発表されるたび会場には「おぉ〜!」という声があふれたペロ〜。結果は、第1位が天童市の金平芳己さんで216.7グラム、第2位が南陽市の鈴木光隆さんで199.4グラム、第3位が天童市の村形静雄さんで185.1グラム。1粒あたりにすると18グラムを超える大玉で、普通の品種(約7グラム)の3倍にもなり、これまでのさくらんぼの常識を超えた大きさペロね。
審査員長を務めた山形県農業総合研究センター園芸農業研究所の工藤信研究主幹は、「気象変動が大きい中での管理は大変だったと思うが、実の大きさはもちろん、粒揃いや鮮やかな紅色、艶といった『やまがた紅王』本来の特性を十分発揮した仕上がりで、生産者の技術の高さを感じた」と絶賛。やっぱり山形生まれ山形育ちの「やまがた紅王」は、大きさも味も色もさくらんぼの王様=B「おいしい山形大使」の僕も鼻が高いペロ♪
「やまがた紅王」大玉コンテストで見事、初代王者となった天童市蔵増の金平芳己さん。じつは果樹農家ではなく、長ネギを中心に野菜を栽培している農家さんで、JAてんどうの組合長を務めているペロ。
そんな金平さんが「やまがた紅王」の栽培に取り組んだ理由は、「天童は『やまがた紅王』の日本一の産地をめざしている。だから、組合長として自分でも実際に植えてみなければと思った」とキッパリ。そして、「孫たちの楽しみにもなれば」と優しいおじいちゃん≠フ顔がのぞいたペロ〜。
金平さんは、「やまがた紅王」の苗木の販売が始まった2018年に10本購入。野菜を栽培していたビニールハウスを壊して、その畑に苗木を植えたんだって。「もともと野菜畑だったから土地が肥えていて、グングン成長した。その畑には、昔から自家用に植えていた佐藤錦と紅秀峰が1本ずつあったので、ちょうど受粉樹になった」と話してくれたペロ。
肥沃な土地に加えて、早めに摘果作業をして余分な実を摘み、果実が大きく育つよう十分に間隔をあけたり、全体が紅く色づくように一粒ずつを実を回して光が当たるようにしたり、手間をかけて育ててきたという金平さん。だからナンバーワンの「やまがた紅王」ができたペロね。
今年、金平さんが出荷した「やまがた紅王」は57キロで、去年の倍以上だったそう。収穫が終わった夏の時期、さくらんぼの木は来年の準備中なので、また大きな実をたくさん収穫できるよう大切に管理しているペロ。
山形県では大玉栽培講座を開いたり、天童市とJAてんどうが「天童市紅王研究会」を発足したり、県内各地の生産者さんは「やまがた紅王」の大玉生産に一生懸命。来年の大玉コンテストで今回の記録を超える「やまがた紅王」が登場するのか、僕はもう今からワクワク! 楽しみペロ♪