ホーム > 知る > 山形んまいもの探しの旅「ペロリンが行く」 > Vol.54:GI登録! 村山伝統野菜「小笹うるい」
うれしい楽しい春〜♪色とりどりのお花が咲いて、とってもきれいペロ。でも、やっぱり僕は、お花より山形のん〜まいもの≠ノ目がいっちゃうペロね。
そんな僕が今回、山形の春の味覚探しに出かけたのは上山市。いろいろな果物や干し柿の産地だけれど、じつは小笹(おざさ)地区で栽培されている「小笹うるい」は、山形県の村山伝統野菜の一つで、春を告げる野菜として知られているペロよ。
「小笹うるい」は、ちょうど露地物が旬を迎える時期なんだって。僕は、さっそくJAやまがた(山形農業協同組合)南部営農センターを訪ねてお話を聞いて、生産者さんの畑に案内してもらったペロ〜ン♪
2019.4.23取材 取材地:上山市
山形県にはうるいの産地が多いけれど、「小笹うるい」は他のうるいと、どこが違うの? 不思議に思った僕は、JAやまがた南部営農センター生産販売課うるい担当の吉田捷大(としひろ)さんにお話を聞いたペロ。
吉田さんによると、「小笹うるい」は、明治20年代後半に小笹地区の山に自生していたうるいを採ってきて、里で栽培したのが始まりとか。今も原種を引き継いでいることから、平成20年に山形県の「村山伝統野菜」に認定されたペロよ。約130年の歴史があるというから、びっくりペロ〜!
普通のうるいに比べて太く、白い茎の部分が長くて10センチ以上もある「小笹うるい」。無農薬栽培の伝統を守っていて、ぬめりが強く、えぐみが少なくて食べやすいのが特長ペロン。今年3月には、こうした高い品質と、地域独自の農産物として大切に守り育てていることが認められて、国の地理的表示(GI)保護制度に登録されたんだって。
ただ、露地物は4月下旬から5月上旬が最盛期で、収穫期が1か月ほどと短く、生産量も年間6トンと少ないため、地元でもまだまだ「小笹うるい」を知らない人が多いそう。「GI登録を機に生産量を増やして、『小笹うるい』のブランド化を進めて全国にアピールし、知名度の向上と販路拡大に力を入れていきたいと考えています」と吉田さん。「小笹うるい」を果物・干し柿に続く上山の特産品に…とはりきっているペロ〜!
春風の中、わくわく気分でうるい畑へ。「小笹うるい」は現在11軒の農家さんが生産していて、ここはJAやまがた小笹うるい部会の部会長・鈴木憲一さんの畑ペロよ。「あれ?緑の葉っぱしか見えないな〜」って僕がキョロキョロしていたら、鈴木さんが収穫作業を見せてくれたペロ〜ン。
まず、鍬でうるいの周りの土を取り除くと、真っ白な長い茎が出できたペロ。その根元を、まとめて一気に鎌で切って収穫。うるいが、ふわっと中心から広がって、まるで花が咲いたように見えたペロね。
うるいは、白い茎の部分だけを食べると思っていた僕。でも、鈴木さんが「葉も食べられるし、生でもおいしいよ」って、土とはかま≠取り除いたうるいをくれたので、葉っぱまでまるごとパクリ。「小笹うるい」はシャキシャキしているけど柔らかくて甘みがあって、ん〜まいペロ〜!
無農薬で、消毒もせず除草剤も一切使わずに育てている安全安心な「小笹うるい」。収穫した後、土の中に残っているうるいの根から、また芽が出て葉が伸びてくるペロよ。その中で良質のものから株分けをして増やして、特性を受け継いだ「小笹うるい」を栽培しているペロン。
GI登録によって、あらためて「小笹うるい」の魅力と価値が認められたけれど、生産者の高齢化や後継者不足という課題も。「GI登録をきっかけに、『小笹うるい』を栽培したいという若い人が増えてほしい。そして生産量が増えて、もっと多くの人に食べてもらえるようになれば嬉しいですね」と鈴木さん。地域の宝「小笹うるい」を、僕も応援するペロね〜♪