雪菜(ゆきな)|米沢市上長井地区
冬季に不足しがちな新鮮野菜
雪の下で育て、花茎を食する
上杉鷹山公が栽培を進めたことから始まったと言われる。この辺りでは、江戸時代、上杉家が米沢入りした際持ち込んだ「遠山かぶ」の花茎(とう)を「かぶのとう」として食していた。この遠山かぶが長岡菜などとの自然交雑から選抜されたものが現在の「雪菜」となったという説がある。
雪下で保存される野菜はよく見られるが、雪菜のように「雪の中で育てる」野菜は珍しい。8月下旬から9月上旬に種をまき、11月頃、60cmぐらいに生長した株をいったん土から抜き取る。その後、10株程度を一束として地面に立てて並べ、その周囲をワラと土で囲い込む。これが「床寄せ作業」という雪菜独特の栽培方法だ。床寄せ作業から約40日後、雪下で出た花茎が30cm程度になったら収穫する。生でも食べるが、熱湯をかけて独特の辛味を出した「ふすべ漬」が、何よりも好まれる。