小笹(おざさ)うるい|上山市小笹地区
鮮やかな緑と白のコントラストが美しい春を告げる味覚
うるいはユリ科の多年草で、山野に自生する山菜。小笹うるいは、明治20年代後半に上山市の男性が山中で見つけたものを採取し、里で栽培したのが始まりと言われる。その地名から小笹うるいと名付けられ、今も原種を引き継ぐ伝統野菜として珍重されている。現在は20度に保たれたハウス内の、温水パイプを通した保温マット付トンネルで促成栽培が行われている。
小笹うるいは通常のものに比べて茎が太く、ぬめりの強いのが特徴。また鮮やかな葉の緑と真っ白い茎のコントラストも美しく、この対比を出すために微妙に調整しながら日光を当てるなど、栽培には高度な技術が必要。主な出荷時期は4月中旬〜5月下旬がメイン。葉物の少ない季節に店頭を飾る小笹うるいは、春の息吹を届けてくれる貴重な存在である。