原木しいたけ|収穫時期:9月〜4月
刺激で芽を出す
「原木しいたけ」
山奥から切り出した原木で
山形の味を周年栽培
世界三大栽培キノコの一つ、しいたけ。 県内の最上地域では、山奥から切り出したミズナラやコナラなどを使った原木栽培が守られている。
「ほだ木を天然に近い環境において菌を安心させておき、急に刺激を与えます。すると菌が驚いて、しいたけを発生するんです」とは生産者。特有の性質を利用したしいたけの栽培法はユニークだ。
まず、ほどよく乾燥させた原木に種菌を植え付ける。この原木をほだ木というが、ハウスに半年以上置き、菌を増殖させる。菌が全体に回った頃、ほだ木を一昼夜程度水に浸けてショックを与える。すると菌は危機感を感じ、子孫繁栄のためにきのこをどんどん発生させるのだ。
自然の恵みと巧みな技で
生まれる原木しいたけ
一方で、ほだ木を森の中に置く自然栽培もあるが、この場合も昼夜の温度差や降雨が刺激となって芽を出すという。
発芽したしいたけは、一週間ほどで収穫できる。品質を左右するのは、原木が貯えている養分の良し悪しも大切だが、菌を育てる温度や湿度の管理、菌を回すためのほだ木の天地替えといった細かな作業が重要で、味にも影響が出る。新鮮なものはハリがあり適度な湿気を含んでいる。裏側は笠を覆うような薄い膜でつながっていて、この状態のうちが最も美味しいという。
食物繊維が含まれており、低脂肪・低カロリーなため、食生活に上手に取り入れたい食材だ。
* DATA *
主な産地
酒田市・三川町・鮭川村・大江町・飯豊町・最上町・戸沢村・大蔵村・ほか