サクラマス|サケ科|旬:4月〜5月
桜の頃、川にのぼりはじめる
その生態には不思議がいっぱい
1992年、サクラマスが「山形県の魚」に選ばれた。名前の由来は春、桜の季節に川に上ってくるから、あるいは身の色が桜色だからなどといわれる。
ところでサクラマスとヤマメは、同じ親から生まれながら、育ち方の違いで、全く違う魚に成長してしまうということをご存じだろうか?
春(3〜5月)に、海からふるさとの川を上りはじめた親魚は、秋(9〜10月)に上流で産卵すると、その生涯をとじる。ふ化した稚魚は川底で冬を越し、翌年の春は川の中を泳ぎ回るようになる。さらに次の年の春になると、海の生活に適応するために体表がスモルト化(見た目には銀白色に変化)する幼魚と、そのまま変わらない幼魚に分かれる。こうして海に下る魚はサクラマスに、もう一方は川にとどまってヤマメになる。
脂ののったサクラマスのおいしさはマス類の中でも最高と言われ、素焼きや餡かけ料理として食されており、庄内地域では古くから春の祭りに欠かせない定番料理として受け継がれている。