芋煮鍋
ルーツをたどれば元禄時代
山形が発祥の芋煮の鍋は、
スタイル様々楽しみ方もいろいろ
船頭が退屈しのぎに
鍋を掛けた
1600年代半ば。山形市の西北に位置する中山町長崎付近が、当時の最上川舟運の終点だった。上方から物資を運んだ舟は、酒田経由で最上川を上りここへ到着する。着いた荷を引取りに人足たちが集まって来るが電話など無い時代、船頭たちは何日も待たされる。退屈しのぎに近くの老松に鍋を掛けての野宴…。船着場の近くにはさといもの名産地、小塩集落があり、頼んで売ってもらったさといもと積み荷の棒ダラなどを鍋で煮て食べたことが、芋煮のルーツだと伝えられている。
江戸時代後期には、山形県に移り住んでいた近江商人たちが、ニシンとさといもを煮て紅花取引きの慰労会を行ったとの記録があり、その後、明治に入って街の粋筋たちがこのような楽しみ方を身近な河原へ持ってきたとされる。また山形歩兵32連隊が「芋煮会」と名付けたとの話も残る。
山形の秋の風物詩
老若男女が集う芋煮会
秋になると県内各地の河川敷は、芋煮会を楽しむ家族連れや団体で大賑わいとなる。鍋から立ち上る湯気や美味しそうな芋煮の香りが辺り一面に広がり、賑やかな笑い声が響く。芋煮鍋の具材には地域性があり、定番のさといも、牛肉、こんにゃく、ねぎに、地域によっては、にんじんやだいこん、きのこなども入れる。庄内地域では、豚肉に味噌味というのが定番。
庄内
地域
豚肉・味噌味
置賜
地域
牛肉・しょう油味(かくし味に味噌)
最上
地域
牛肉・しょう油味
村山
地域
牛肉・しょう油味