なす|収穫時期:6月〜10月
暑い夏に次々と実を成す
つややかな「なす」
焼いてもよし、漬けてもよし
「くろべえ」に「蔵王サファイヤ」
なすは全国各地で、形も大きさも実に多彩な種類が作られている。山形県でも、郷土料理「だし」の材料として、またなす漬けや焼きなすなどあらゆる料理に万能で、身近な野菜として各地で作られている。
現在、注目されているのが、西村山地域が主産地の「くろべえ」という品種だ。濃い黒紫色で光沢があり、肉質は軟らかいが、皮が硬くて日持ちが極めていい。
もう一つ、昨今人気なのが山形市内で作られる「蔵王サファイヤ」。本来の品種名は「真仙中長」だが、その優美な色と小ぶりな形、なす漬けとして一度味わったら忘れられない軟らかさや美味しさは、まるで貴重な宝石のようだ。
新鮮ななすは、ツヤとハリ
ガクのトゲで見分ける
これらの美味しさの鍵を握っているのは、昼夜の温度差が大きく、山からの豊かな水に恵まれた産地の環境だ。
ジリジリと暑い夏、なす畑に入ると、薄紫色の花が可憐に咲き乱れ、そこここに紫紺の実がぶら下がっている光景に出合える。なすの実は涼しげに輝き、ふと爽やかな風を感じた。
新鮮ななすを選ぶなら、表面のツヤとハリが目安。またヘタの切り口が新しく、ガクのトゲがチクチクするものほど良い。水分が蒸発しやすいので、保存する場合は、ラップに包んで10度前後で保存するのが理想。5度以下では低温障害を起こすので、冷蔵庫の保管場所にも注意したい。
* DATA *
主な産地
鶴岡市・酒田市・南陽市・大江町・ほか